常識は本当か
高校の頃、弱小高で野球部に所属していました。
当時はダウンスイングこそ正義でアッパースイングは悪という時代でした。
どうも納得できませんでした、普通に考えれば上に物を飛ばしたいのであれば上から打つよりも下から打ったほうが角度がつくし遠くへ飛ばせます。そのことを指導者に伝えても「上から叩いてバックスピンをかけることで遠くへ飛ばせる」と言われましたが下から打ってもバックスピンはかけることは可能です。
ダウンスイングの原点は、おそらく王貞治が真剣で藁を切る練習をしてるところからでしょう。実際、王貞治もアッパースイングでしたがそこから野球指導者は猫も杓子もダウンスイング一辺倒になり「常識」となりました。今でこそ、MLB発のフライボール革命によりアッパースイングが日本でも見直されましたが。
アメリカの野球は、バレルゾーンの発見や極端な守備位置や合理的な指標(OPS、WARなど)など細かく丁寧にデータ分析していてそこに日本の野球のような主観的なものはほぼありません。日本では未だに重要な指標である投手の勝利ですが、運不運による要素が大きいためアメリカでは既に指標としての価値はなくその証拠として投手契約のインセンティブに勝利数はありません。
さて、投資やその他においても常識や当たり前のこととして捉えられていることが多くあると思います。
その代表格が「人口減少で縮小しつづける日本に未来はない」というものです。そもそも先進国の多くで少子化はすすんでいますが経済成長をしており、人口減少は経済縮小の主原因とは言えません。
確かに今現在、日本は失われた30年と言われる通りバブルがはじけて不況が続いています。
私が幼いころのアニメなどでも「今は不況だからね」みたいなフレーズがよく使われていました。
実際のところはバブルがはじけても97年ごろまではGDPは微増していました。それが橋本首相のもとスタートし現在まで脈々と受け継がれている緊縮財政により経済がデフレ化しGDPは全く成長しなくなりました。
以下を見れば、GDPを成長させるために何をすべきかは明白です。
財政出動の伸び率と経済成長が正の相関にあることはもはや疑う余地はありません。
中国共産党はとんでもないろくでなしではありますが、頭は良いので日本のミスをしっかり分析し実践して大きく経済成長をさせました。
https://hyakushiki.muragon.com/entry/312.html
ここでも触れましたが、やることは財政出動と減税です。
しかし日本政府が行ってきたことは真逆の緊縮財政と消費増税です。
近年、三橋貴明氏をはじめとする反緊縮財政勢力の正しい主張が広がりつつあります。立憲民主党は原口一博を中心に三橋貴明氏を招いての勉強会、そして財政出動を訴えて高市早苗が自民党総裁選の出馬を目指すことが発表されました。さらには高市早苗はコロナ収束までPB黒字化目標を凍結するのではなく、インフレ率2%達成まで凍結というより踏み込んだ主張をしています。
コロナ禍での国民の苦しみが少しづつ政治家に伝わり、それに伴い反緊縮の炎が大きくなっていってるのではないかと思います。
もう1つ「ホームカントリーバイアスは良くない」ということも言われていると思いますが、おそらくこれは日経平均が30年高値更新していない日本においてなんでしょうね。
私はむしろ、決算報告書などを自国の言葉で読めて小売りや外食などをはじめとして自分の目や肌感でわかるホームカントリーに投資することは正しいことなのではないかと思います。
広く分散されたeMAXIS Slim全世界株式オールカントリーもリスクヘッジとして投資していますが、主力は日本株にしています。
この主張が正しいか、それとも常識が正しいか。
答えは永い時間をかけてわかるでしょう。